2016.01.19更新

民法760条には「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。」と規定されています。

 

夫婦は婚姻している間、家庭生活を営むために必要な通常の生活費(「婚姻費用」といいます)を分担する義務があります。

この費用には、夫婦の財産・収入・社会的地位などに相応した衣食住の費用や子供の養育費、教養娯楽費などが含まれます。

 

夫婦が別居中であっても、婚姻関係が続いている限り、お互いに婚姻費用を分担する義務があることに変わりありません。

 

ところが、同居中は生活費を毎月夫から受け取っていたが、別居した後は一切払ってくれなくなった、というご相談をよく耳にします。

 

 

夫婦共働きなどでお互いに十分な収入があればよいのですが、そうでない場合、収入が少ない妻などは、相手から適切に婚姻費用を支払ってもらえないと、別居したとたん日々の生活費にも困窮するという事態になりかねません。

 

そうならないために、できれば別居する前に夫婦で話し合い、今後の生活費(月々の額や受取方法など)について決めておくとよいでしょう。

 

夫婦の話し合いで決めることができず婚姻費用を分担してもらえない場合には、家庭裁判所の調停手続を利用することもできますので、早めのご相談をお勧めします。

 

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九段法律事務所
弁護士 村田彰子
東京都新宿区新宿2-1-7 井門新宿御苑ビル2階
地下鉄 丸ノ内線「新宿御苑前」駅 徒歩約1分
電話:03-5312-2062 http://www.murata-law.jp/

投稿者: 弁護士 村田 彰子

2016.01.14更新

結婚するときに姓(法律上は「氏」といいます。苗字のこと)を変えた夫または妻は、離婚届を提出すると、婚姻中の戸籍から出て法律上当然に結婚前の姓(旧姓)に戻ります。

 

離婚後も旧姓ではなく婚姻中の姓を使いたい場合には、離婚の日から3か月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」を提出することにより、婚姻中の姓を使い続けることを選択できます。この届は、離婚届と同時にすることもできます。

この場合、離婚した相手と同じ姓を名乗ることになりますが、戸籍は別になりますので、ご本人を筆頭者とする戸籍が新たに作成されます。

 

 

子供の姓については、両親が離婚しても姓は変わらず、戸籍も婚姻中の戸籍に残ります。

 

そのため、親権者になった親と子供の姓とが異なってしまうことがあります。

子供の姓を変更したい場合には、家庭裁判所に「子の氏の変更許可の申立て」を行い、裁判所の許可をもらって変更の届出をします。

 

 

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投稿者: 弁護士 村田 彰子

2016.01.12更新

法律に定められている離婚原因は次の5つで、判決により強制的な離婚が認められるのは、このどれかの事由がある場合に限られます(民法770条)。

 

 1 配偶者に不貞な行為があったとき

 2 配偶者から悪意で遺棄されたとき

 3 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき

 4 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき

 5 その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

 

もっとも、このような特別な離婚原因がなくても、夫婦が合意をすれば離婚することができます(民法763条)。

実際に、「性格の不一致」などが原因の離婚も多くあります。「性格の不一致」は上記のどれにも該当はしませんが、話し合いで合意できれば離婚できるのです。

 


逆に、上記に挙げた事由がある場合であっても、裁判所が「一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるとき」には、離婚の請求を棄却する判決がなされることもあります(民法770条2項)。

 

このように、裁判では様々の事情が考慮され、訴訟を遂行する際には高度な専門知識も必要となってきますので、早めに弁護士へ相談されることをお勧めします。

 


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投稿者: 弁護士 村田 彰子

2016.01.08更新

離婚をするためには、夫婦が離婚することについて合意すれば、離婚届を役所(市役所や区役所などの戸籍係)に提出して離婚することができます。

相手が離婚に応じてくれない場合には、家庭裁判所の手続を利用することを検討しましょう。

 


~離婚の方法~

 

● 協議離婚・・・話し合い(協議)による離婚

 

まず夫婦間で話し合いを行い、それで合意ができれば、役所に離婚届を提出して離婚することができます。

これを「協議離婚」といいます。

 

夫婦の間だけではうまく話し合いができない場合でも、弁護士が相手との交渉を代理して行ったり、話し合いのサポートをすることにより話し合い(協議)がうまくまとまることもありますので、あきらめずにご相談ください。

このように弁護士が関与した場合でも、協議により合意ができれば、夫と妻の双方が署名・捺印した離婚届を提出することにより離婚することができます。

 

 

● 調停離婚・・・家庭裁判所の調停による離婚

 

夫婦間での協議がまとまらないときは、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。裁判所の調停では、裁判所が選任した中立的な第三者(調停委員)を介して話し合いを行います。

 

調停で合意が成立すると、その内容を記載した書面(調停調書)を裁判所で作成してもらえますので、離婚する旨が書かれた調停調書を添付すれば、夫か妻のどちらか一方だけで離婚届を提出することができます。

家庭裁判所の調停手続により離婚することを「調停離婚」といいます。

 

 

● 裁判離婚・・・裁判による離婚

 

家庭裁判所での調停でも合意ができない場合には、最後の手段として、離婚を請求する裁判の提起を検討することになります。

 

ただし、裁判所の判決で離婚が認められるためには、法律で定められた離婚原因がなければなりません(民法770条)。また、裁判の手続の中でも、判決の前に和解(話し合いによる解決)が試みられることもありますので、弁護士にご相談ください。

このような裁判によってする離婚を「裁判離婚」といいます。

 

 

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投稿者: 弁護士 村田 彰子

2016.01.07更新

離婚すると、それまでとは生活環境が大きく変わります。

 

例えば、住居一つをとってみても、現在は一緒に住んでいる場合、離婚すれば別居することになりますので、どちらが自宅から出て行くか、その場合どこに住むか、などを決めなければなりません。

そのほかにも、子供はどうするか、生活の目処は、等々、事前に考えておかなければならないことはたくさんあります。

 

 

離婚する際に決めておいた方がよいことを下記にまとめましたので、参考にしてみてください。

 

● 離婚後の生活のこと

 

 ・ 離婚後の住居をどうするか

 

 ・ 仕事など、収入(生活費)の確保に目処はあるか

 

● 財産のこと

 

 ・ 夫婦の財産の清算(財産分与など)が必要か

 

     婚姻中に夫婦が協力して築いた財産は財産分与の対象になります。

     婚姻期間が長い場合や、住宅ローンで購入した自宅がある場合など、

     様々な事情を考慮すべき場合もありますので弁護士にご相談ください。

 


 ・ 相手に慰謝料を請求するかどうか

 

     慰謝料は必ずもらえるというわけではありませんが、相手の不貞行為や

     暴力などが原因で離婚する場合は慰謝料を請求できることがあります。

 

● 子供のこと

 

 ・ 未成年の子供がいる場合、親権者をどちらにするか

 

    離婚届には親権者を記載しなければなりませんので、

    それまでに決めておく必要があります。

 

 ・ 子供の養育費

 

    親権者にならなくても親子であることに変わりはなく、

    子供が一人前になるまで扶養する義務がありますので、

    月々の養育費について取り決めておくことをお勧めします。

 

 ・ 子供との面会交流について

 

    離婚後はなかなか連絡が取りづらくなることもありますので、

    子供との面会交流の方法・頻度など予め合意しておくとスムーズです。

 

● 離婚後の姓

 

 ・ 結婚時に姓を変えた場合、結婚前の姓に戻すかどうか

 

 


※ 離婚する際には、上記のように項目を挙げただけでも予めいろいろな点を考慮して決めておく必要がありますので、一度弁護士へ相談することをお勧めいたします。

 

 

■ 「離婚」についての詳しいHPの情報はこちら

 

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投稿者: 弁護士 村田 彰子

2015.12.28更新

民法750条は、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」と規定しています。結婚する際に、夫婦となる者のどちらか一方が必ず氏(いわゆる「姓」のこと)を変えて同一の氏(姓)にしなければならないことになっていますので、現在の法律では、いわゆる「夫婦別姓」は認められていません。

 

この、夫婦別姓を認めない民法の規定が憲法に違反するかが争われた裁判で、12月16日、最高裁判所は憲法に違反しない(合憲)との判断を示しました。

 

ただ、この判決は15人の最高裁判所の裁判官全員による大法廷判決ですが、裁判官の中でも意見が割れており、そのうち5人の裁判官が違憲であるとの意見を述べています。

また、合憲の判断を示した多数意見でも、夫婦同姓制度が憲法に違反しないといってもそれが「選択的夫婦別氏(姓)制度に合理性がないと断ずるものではない」と述べ、「この種の制度のあり方は、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならない」と指摘しています。

 

この問題は、結婚や家族のあり方など私たちの生活にも関わる大きな問題ですので、今後、国会の場などでよりよい制度へ向けた議論が広く行われ立法措置がとられることが期待されます。

 

 

~~~憲法の条文~~~

憲法13条

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 

憲法14条1項

すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

 

憲法24条1項、2項

(1項) 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。 

(2項) 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

投稿者: 弁護士 村田 彰子

2015.12.15更新

遺言書があっても、必ずしも遺言どおりに遺産を分けなければならないわけではありません。

 

遺言には、遺言をした方の意思が直接示されていますので、その意思を尊重するべきであることは言うまでもありませんね。

しかし他方で、残された相続人の方々の生活や考えも尊重する必要があるのも事実です。

 

そこで、民法907条には「共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の分割をすることができる。」と定められています。つまり、遺言と異なる内容であっても、共同相続人全員が合意すれば、その合意した内容での遺産分割を原則として行うことができるのです。

 

また、民法1028条以下には遺留分に関する規定もありますので、遺言が遺留分を侵害する内容になっている場合には、遺留分の権利がある相続人(配偶者や子など、兄弟姉妹以外の相続人)は、遺留分減殺請求権を行使することができます。

 

 

■相続に関する詳しいHPの情報はこちら

投稿者: 弁護士 村田 彰子

2015.12.10更新

遺品を整理していると、仏壇や金庫、書斎の引き出しの中などから遺言書が出てくることがあります。

遺言書に封がされている場合は封を開けずに、見つけた日にちや場所を忘れないようメモしておきましょう。

 

亡くなられた方の自筆の遺言書を見つけた場合には、家庭裁判所へ「遺言書の検認の申立て」を行わなければならないことになっています。

 

検認は、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして、遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。

遺言書の検認が行われると、家庭裁判所で検認調書が作成されます。

 

封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人等の立会いの上開封しなければならないことになっていますので、遺言書に封がされている場合は封を開けずにそのままの状態で保存して、検認の申立てを行いましょう。

投稿者: 弁護士 村田 彰子

2015.12.07更新

自治体や弁護士会の相談センターなどで法律相談を担当していると、ご相談者の方から「女性の弁護士さんで良かった」とか「こんなことで相談なんて怒られるかもしれないと思ったけれど、勇気を出して相談に来て良かった」などと言われることがよくあります。

 

弁護士の仕事は、女性でも男性でも性別に関係はないのですが、相談しやすいかどうかということはあるようです。

特に、離婚や相続、慰謝料の問題などは、プライベートの込み入ったご事情もお聞きすることになりますので、女性の弁護士の方が相談しやすいのかもしれません。

 

私の事務所は新宿御苑前駅の駅前(新宿・四谷からも丸ノ内線ですぐ)で、話しやすい雰囲気を心がけていますので、もし弁護士に相談しようか迷っていらっしゃいましたら、まずは一度ご連絡ください。

電話またはメールでご相談の予約を受け付けています。

 

 

 

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投稿者: 弁護士 村田 彰子

2015.12.01更新

相続の手続は、まず誰が相続人かを確認することから始まります。

 

亡くなられた方(「被相続人」といいます)の相続人に誰がなるかは、被相続人との関係により、法律(民法)で決められています。

 

まず、被相続人に配偶者(夫または妻)がいる場合、被相続人の配偶者は必ず相続人になります。

そして、配偶者のほかに、

 

①第1順位として、被相続人に子がいる場合は子。ただし、本来相続人になるべき子が被相続人の死亡前に死亡していて、その人に子(被相続人との関係では孫)がいる場合には、孫が代襲して相続人になります。

 

②子が全くいない場合は、第2順位として、被相続人の直系尊属(親)。

 

③直系尊属もいない場合には、第3順位として、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります。

 

つまり、相続人は、①配偶者と子、②配偶者と親、③配偶者と兄弟姉妹 です。

 

実際に誰が相続人になるかは、戸籍で確認します。

戸籍は、婚姻したときのほかにも、転籍したり改製などでも新たに作成しなおされることがあります。そこで、相続人を漏れなく確認するためには、面倒でも被相続人が生まれてから死亡するまでの間の戸籍を全て連続してとって確認しなければなりません。

 

 

 

■「相続」についてのHPの詳しい情報はこちら

相続詳細ページ

投稿者: 弁護士 村田 彰子

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