2015.10.27更新

【ご相談内容】

会社の社長をしていた夫が死亡しました。夫婦の間に子供(実子)はいませんが、数年前に夫の親族を養子にしています。

夫が病気になってからは仕事ができず会社はずっと休業状態ですが、会社名義の不動産があるからでしょうか、養子は自分が夫の会社を引き継ぐと言ってきました。私としては、長年夫婦で協力しあって大きくした会社なので、入社して数年にしかならない養子の手に会社が渡ってしまうのは納得できません。

 

【解決までの経過と内容】

本件の相続人はご相談者である妻と養子の2人だけですので、法定相続割合は妻が2分の1、養子が2分の1になります。

亡くなられた被相続人に遺言は無く、遺産の中には被相続人名義の預貯金、有価証券などのほか、被相続人が社長をしていた会社の株式や、多数の不動産もあったため、簡単には遺産分割協議が進まない状況でした。そこで、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる方針で受任し、調停の場で協議を進めました。

 

ご依頼者(妻)は夫の会社の株式をご自分が取得することを強く希望しておられましたが、相手方(養子)も同様に株式の取得を希望していたため、話し合いは難航しましたが、裁判所の調停の場で遺産のそれぞれの内容を整理、評価しながら冷静に話し合いを継続しつつ、ご依頼者の意向を粘り強く伝えていきました。

最終的に、法定相続割合は上記のとおり2分の1ずつですので、それに見合った額の遺産をそれぞれ取得できるように配慮した分割案を作成してお互いの利害を調整することにより、無事に遺産分割の合意に達することができました(会社の株式はご希望どおりご依頼者が取得することになりました)。

 

【ポイント】

遺産の内容が多岐にわたったり、相続人間に深刻な争いが生じてしまった場合には、当事者だけで協議を続けるより裁判所の調停を利用する方が早期の解決につながることがあります。調停には、公的な第三者である調停委員の関与のもとでお互いの主張を整理し利害を調整できるメリットがあるからです。

 

本件では、家庭裁判所での調停で交渉を重ねてその経緯も踏まえたうえで、ご依頼者の希望に沿ったかたちで、かつ相手方も説得できる内容の提案ができたことが解決のポイントでした。

 

 

 

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投稿者: 弁護士 村田 彰子

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