2016.04.19更新

貸したお金を返してもらえないので法的な手段をとりたい、支払督促という簡単な手続があると聞いたのだけれども・・・というご相談を受けることがあります。

 

支払督促とはどのような制度なのでしょうか。

 

金銭の支払い等を請求する場合に、相手の住所地を管轄する簡易裁判所へ支払督促の申し立てを行うと、裁判所の書記官が書類審査だけで相手に対して「支払督促」を出してくれます。

通常の訴訟とは異なり書類審査だけの手続ですので、審理のために裁判所へ行く必要もなく、裁判所に納付する手数料(収入印紙)も訴訟の場合の約半分ですむというメリットがあります。

 

ただ、相手から支払督促に対して「異議」が出されると、通常の民事訴訟へ移行することになっていることに注意が必要です。ちなみに、この「異議」は簡単にできます。

 

また、相手が支払督促を受け取ってから2週間以内に異議が出されなかった場合は、その日から30日以内に仮執行宣言の申立てを行うと、裁判所が支払督促に仮執行宣言を付けてくれますが、この仮執行宣言付きの支払督促に対しても、相手は「異議」を出すことができ、相手から異議が出されると訴訟手続へ移行することになります。

 

このように、せっかく支払督促を申し立てても、相手から異議が出されれば通常の訴訟手続へ移行しますので、それまでの時間が無駄になり、かえって時間や手間がかかってしまうことになりかねません。

 

そのため、弁護士が債権回収の依頼を受けた場合には、あまり支払督促の制度は利用せず、最初から通常の訴訟にすることがほとんどです。

もしご自分で支払督促を利用する場合には、相手から異議が出されることを予め想定して、その場合にどう対応するのかまで考えたうえで行う必要があるでしょう。

 

 

逆に、もし裁判所から「支払督促」が送られてきた場合にはどうすればよいでしょうか。

支払督促を受け取った場合には、そのまま放置しておくと支払督促に「仮執行宣言」が付けられ、それに基づいて強制執行を申し立てられてしまう可能性もありますので注意してください。

決められた期間内に「異議」を申し立てるなどの対応をすることをお勧めします。

 

 

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九段法律事務所
弁護士 村田彰子
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投稿者: 弁護士 村田 彰子

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